持続可能な社会を実現するためには、地球上のあらゆる場所の、すべての人に平和と公正がもたらされなければならないよ。
災害や紛争に苦しむことなく、暴力や差別を受けずに、安心して安定した暮らしを続けることができる状況の中で、平等な立場で話し合うことができてこそ、平和で豊かな社会を実現することができるからだね。
SDGsでは「誰一人取り残さない(Leavenoonebehind)」というテーマを掲げている。「平和と公正をすべての人に」という目標は、このテーマを実現するための目標でもあるんだ。
でも、世界には今でも主に紛争が起きている地域で基本的な人権すら保障されていない人々がいたり、子どもが武装グループに参加させられたり、誘拐や人身売買、性的被害に遭ったりといったことが起きているんだよね。
紛争地域に限らず、先進国を含めても世界には治安の悪い地域が残っていて、殺人や窃盗をはじめとする犯罪に遭うリスクが高いままになっているよ。すべての人に平和と公正をもたらすために、暴力を減らすこと、正しいことが尊重される社会をつくること、年齢や性別、人種や民族、宗教、性的指向などによって差別されることなく法律によって守られ権利が保障されること、社会的な意思決定の際には自由に意見が言えるようにすること。このような社会を作っていくために世界じゅうのあらゆる地域で取り組んでいくこと。それがこの「平和と公正をすべての人に」ということだよ。
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日本はとても平和な国だから、戦争やテロといっても、あまり実感がわかないけど、今も世界のどこかで争いや暴力で命が奪われているんだ。戦争がおきている地域を調べたり、どうして戦争になったかを考えることも、私たちに出来る大切なことです。
平和と公正が保たれる社会を実現するためには、「国民が主権を持ち、国民自ら政治を行う」という考え方である民主主義に根ざした政治が、正しく機能することが必要です。そのためには、少数派の意見も届く政治の仕組みを作っていくことが大切なんだ。
でも、日本の投票率が世界200カ国中158位と、かなり低いことが問題として挙げられています。これでは一部の国民の意見しか政治に反映されず、公正が保たれているとは言えません。この低投票率問題を解消するために、日本では政治を「自分ごと」として受け止められるようになるための主権者教育の推進や、より投票へのハードルが低くなるインターネット投票の導入について議論されているのです。
世界では、紛争によって苦しむ人を助けるため、支援団体や各国の政府開発援助(ODA)を通して支援が続けられています。水や食料の提供、井戸やトイレの設置、医師の派遣や医薬品の提供といった基本的な支援から、紛争被災地の電気、水道、道路、学校、病院といったインフラの整備、経済活動再開のための支援まで、幅広い取り組みが続けられています。
社内で不正が行われないよう透明性を高めることや、反社会勢力とのつながりを禁じることを、企業理念に掲げる企業も増えています。また、平和と公正のために、自由に情報にアクセスできる権利が求められているため、インターネットなどの情報インフラの提供を強化している企業もあります。
それぞれの目標には、その内容をより細かく示したターゲットが7項目設定されているよ。
詳しくはを見てみてね!
16.1 あらゆる場所において、すべての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。
16.2 子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。
16.3 国家及び国際的なレベルでの法の支配を促進し、すべての人々に司法への平等なアクセスを提供する。
16.4 2030年までに、違法な資金及び武器の取引を大幅に減少させ、奪われた財産の回復及び返還を強化し、あらゆる形態の組織犯罪を根絶する。
16.5 あらゆる形態の汚職や贈賄を大幅に減少させる。
16.6 あらゆるレベルにおいて、有効で説明責任のある透明性の高い公共機関を発展させる。
16.7 あらゆるレベルにおいて、対応的、包摂的、参加型及び代表的な意思決定を確保する。
16.8 グローバル・ガバナンス機関への開発途上国の参加を拡大・強化する。
16.9 2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。
16.10 国内法規及び国際協定に従い、情報への公共アクセスを確保し、基本的自由を保障する。
16.a 特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでの能力構築のため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化する。
16.b 持続可能な開発のための非差別的な法規及び政策を推進し、実施する。
目標は全部で17個!
下の17の目標から気になる項目をクリックしてみよう!